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節税

アップルが採用した「無国籍企業AOI」。アイルランドを利用した節税スキーム

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節税は立派な企業経営の1つです。

節税することで、大事な会社や社員、その家族を守り続けることができます。

今回は、アップルが採用した「無国籍企業」を採用した節税スキームを紹介します

アップルは、無国籍企業以外にも様々な節税にチャレンジしている企業です。

今後も、楽しく節税にチャレンジしてくれることでしょう。

応援しています!

 

アップルが採用した「無国籍企業AOI」。アイルランドを利用した節税スキーム

アップルはアイルランドとラブラブです。

そのラブラブさが、アップルの節税のカギを握っています。

アップルは、無国籍企業をアイルランドに設置し、商売を行ってきました。

その無国籍企業もまた、アップル節税のカギを握る大切なものです。

今回はアップルの無国籍企業「アップル・オペレーションズ・インターナショナル(以下、AOI)」に話題の中心を置き、話を進めて参ります。

 

前提:アップルはアイルランドと仲が良い

無国籍企業の話をする前に、アップルとアイルランドとの関係を見てみましょう。

アップルはアメリカのカリフォルニアに本社を置く、誰もが知る大企業です。

 

 

私もアップル製品が好きで、今MacBook Proで文章を書いています。

このアップルですが、アップル社1社で商売が成立しているわけではありません。たくさんの関連会社があります。

今回の無国籍企業の話の主役、AOI もアップルの関連会社です

AOIは本社がアイルランドで、アップルの100%子会社です。

 

アップルとAOIの関係

 

アップルの節税戦略を語るのに、アイルランドとの関係やAOIの存在は欠かせません。

 

アイルランドは外国企業を呼びたい国

国際的な節税の話をした時に、アイルランドはよく名前が挙がる国です。

それはなぜかと言うと、アイルランドと絡むことで、税制上のメリットがあるからです

アイルランドは「優秀な人材を集めたい」「優秀な企業に来て欲しい」と思い、外国企業へのメリットを提示してきました。

例えば、1980年代は50%だった法人税率を、2000年代には12.5%に下げています。

それから700社以上のアメリカ企業が、アイルランドに進出しました。

アイルランドは外国企業を誘致したい国であり、外国企業もまた、アイルランドに行きたいのです。

 

アップルは130億ユーロもの追徴を受けた

アップルの節税が大きく話題に上がったのは2013年です。(2013年は「行き過ぎた節税」がアメリカで問題視された年でした)

アメリカ上院常設調査委員会の報告書(2013年5月20日)では、「アップルは、2009年~2012年の間に740億ドル(約7兆8000億円)の利益をアイルランドに集めた。それによりアメリカでの課税を逃れやがった」と報告しています。

そして2016年、欧州委員会(EUの執行機関)は、アイルランド政府に対し、「MAX130億ユーロ(約1兆5000億円)の追徴課税をアップルに対していなさい」と指示しました。

アップルは2018年に全額の納税を完了しています。すごい!

 

 

これはアイルランドに対しても不本意な話で、しっかりと異議申し立てを行っています。

とにかく、このようにしてアップルは多額の追徴を受けました。

この話の裏には、「アップルとアイルランドの仲の良さ」が挙げられます

 

アイルランドのアップルに対する優遇措置

アップルとアイルランドの仲の良さについて話します。

1991年、アイルランドの税務当局は、国内アップルの子会社に対する優遇措置を決定しました。

この優遇措置は長い間、アップルのアイルランドの納税に影響します。

例えば、2003年当時、アイルランドの法人税率は12.5%でしたが、アップルのある会社の税負担は1%に圧縮されています。

2014年には0.005%と、ほぼ0になっている会社もありました。

このように、アイルランドの”アップルLOVE”コールは、調べればたくさん出てきます。

見ているこっちが恥ずかしくなるくらいの仲の良さです。

逆に、アップルも、アイルランド政府に対して配当を行なっています。

このように、アップルとアイルランドは昔からラブラブです

これに対し、「アイルランドはアップルに国家補助を行なっているんじゃねーか」と横槍を入れたのが欧州委員会でした。

結果、アップルは130億ユーロという、多額の追徴を課せられたのでした。

 

さて、ここからいよいよ本題に入ります。

アップルの節税スキームの1つ「無国籍企業」について解説していきます。

アイルランドにあるアップルの無国籍企業『AOI』

AOIは、アップルの100%子会社です。

AOIはアップルにとっての持株会社で、参加に多数の子会社を保有しています。

この会社が、アップルの無国籍企業です。

AOIの特徴を下記にまとめます。

 

AOIの特徴

  • 1980年にアイルランドで設立
  • 役員は3人。従業員はいない
  • 3人の役員の内2人はカリフォルニア在住(アメリカ・アップルの従業員)。残る1人だけがアイルランドに在住
  • アイルランド在住の役員は、AOIの子会社ADIの従業員
  • AOIの役員会は常にアメリカで開催される。アイルランド在住の役員は電話参加

 

AOIはアイルランドにある会社にも関わらず、アメリカで管理されていることがおわかりいただけるかと思います。

「アイルランドにある会社にも関わらず、アメリカでの管理」これがポイントです

 

AOIはアイルランドにとっての非居住法人

AOIはアイルランドに会社があるにも関わらず、アイルランドでは非居住法人です。

アイルランドの法人判定の結果が、「AOIは非居住法人ですよ」と判断しています

 

アイルランドは管理支配地基準を採用している

アイルランドは、会社を居住地法人かどうかを判断するのに、「管理支配地基準」を採用しています

管理支配地基準というのは、「事業の指揮管理を行う場所を基準に、法人の居住地を決定しますよ」というものです。

AOIは実質アメリカでの指揮管理です。なので、アイルランドから見れば、AOIの居住地はアメリカになります。

つまり、AOIはアイルランドから見て非居住法人です。

 

アイルランドの法人税

国内に経営機能がある会社に課税する「管理支配地基準」

 

AOIはアメリカにとっても非居住法人

アメリカでは、「本店が登記されている所在地」を基準に、居住法人かどうかを決定します。(設立準拠地基準)

AOIはアイルランドに所在地を置いています。アメリカから見れば、非居住法人です。

ちなみに、日本もアメリカと居住法人判定の方法を採用しています。

 

アメリカの法人税

国内に設立地がある会社に課税する「設立準拠地基準」

 

AOIはアイルランドでもアメリカでも法人税が課されにくい仕組み

AOIはアイルランドの居住法人でもアメリカの居住法人でもありません。

つまり、無国籍企業です。

実際、アメリカの税法に則ると、AOIの利益をアメリカ・アップル本社の利益として認定することは難しいです。

そして当然、AOIはアメリカで税務申告を行いませんでした。アメリカでの法人税納税も当然行なっていません

アメリカ上院調査委員会で問題に挙げられたのは、無国籍企業という点も1つでした。

しかし、アップルの言う通り、これには何の違法な点もありません。

法律に反していませんでしたが、「色々といちゃもんをつけられて、130億円もの追徴を行なった」のがアップルです。

同情します。

 

Appleは過去3年間に350億ドル以上を法人所得税として支払った世界最大の納税者です。Appleは製品を販売するすべての国々で税金を支払っています。

Apple HP 『Appleの納税に関する事実』(2017年11月6日)より引用

 

最後に

アップルとアイルランドとの関係と、アップルの無国籍法人AOIについて見てきました。

節税は立派な企業努力であり、経営戦略です

しかし、「アップルのように目立った節税は、政府に目をつけられて、いちゃもんをつけられてきた」というのが世界の歴史です。

国家にとっては、大企業から税金を得ないのは大きな損失ですので。

国家は気にくわないことがあると、裁判を起こし、お金を回収してきました。

そして、税に関する新たな法律を作り、節税できないようにしてきました。

しかし、それにしてもやり方がヤ●ザです。

「企業にいちゃもんつけてお金を巻き上げることばかり考えてないで、無駄を省くとかもっとマシなことに大切な税金を使ってくれよ」

こ言いたいです。

アップルも今の税制について抗議しています。

 

Appleは総合的な国際税制改革が必要だと考えており、長年にわたり税法の簡素化を提唱してきました資本の自由な流れを許すような改革は経済成長を加速し、雇用の創出を支援します。国際的な連携立法努力が、現在のような税金の支払いをめぐる国家間の綱引きを取り除き、納税者に法の確実性を保証することにつながるでしょう。

Apple HP 『Appleの納税に関する事実』(2017年11月6日)より引用

 

我々はアップル社を応援します。

節税を経営戦略の1つだと考えます。

しっかり節税して、子供や孫に誇りを持ってもらえる社会を作っていきましょう。

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